速さに名を遺した バート ル バック 。その魂に捧ぐ。
── 伝説の記録保持者に捧ぐ、唯一無二の記念モデル。S.S.100 バート ル バック
1924年、それは、モーターサイクル黎明期において「スピード」という概念がまだ輪郭を持たぬ時代。その未踏の領域に、自らの意思と技術で挑み、「最速の男」としてその名を刻んだ先駆者バート ル バック。彼は、ブラフシューペリア S.S.100を駆り、フランス アルパジョンの地において世界速度記録を打ち立てます。同年、同地にてさらに9つの公式スピード記録を樹立。この偉業によって、ブラフシューペリアは「世界最速」の称号を手にすることとなりました。
97年の時を経た2021年
バート ル バックの精神、そして創業者ジョージ ブラフの哲学を継承する新生ブラフシューペリアが、ティエリー アンリエットの指揮のもと、記念碑的モデルを世に送り出します。栄光の9つのスピード記録に敬意を表し、わずか9台のみが製作された特別限定モデル。S.S.100のクラシカルな意匠を受け継ぎつつ、車輌構成のあらゆる要素に現代の先端技術を惜しみなく投入。チタン削り出しの軽量フレーム、Fior式サスペンションの革新的機構、そして制動性能にはベルリンガー製 ディスクブレーキなど、すべてにおいて妥協を排した仕上がり。燃料タンクには、伝説の名「ル バック」が静かに刻まれ、メカニカルな表情で寡黙ながら確かな存在感を放ちます。走ることによって語る。スピードという美学、そして職人たちの記憶と魂を、未来へと紡ぐトリビュートモデルです。

ブラフシューペリアを彩った
伝説的エンジニア兼ライダー
Bert le Vack / バート ル バック
── エンジニアでありライダーでもあったバート ル バックは、1920年代のブラフシューペリアを技術と情熱で支えた立役者。S.S.100を駆り、時速191kmを超える世界記録を打ち立てた彼は、名実ともに最速の象徴となりました。スピードと精度を極めた彼の軌跡は、今もモーターサイクルの歴史に深く刻まれている。
| エンジン | |
|---|---|
| エンジン形式 | 997cc 水冷 DOHC 88°V ツイン 4 ストローク 各気筒 4 バルブ / チェーン+ギア複合カム駆動 |
| 最高出力 | 102 bhp(75 kW)/ 9600 rpm〈Euro 4〉 |
| 最大トルク | 87 Nm(64 lb-ft)/ 7300 rpm |
| 圧縮比 | 11 : 1 |
| 燃料供給方式 | 電子制御燃料噴射(Synerject ECU) 50 mm スロットルボディ × 2(各 1 インジェクター) |
| ギアボックス | 6 速 |
| クラッチ | 湿式多板クラッチ(油圧式) |
| 車体 | |
|---|---|
| フレーム | 削り出しチタンフレーム+チタン製サブフレーム |
| フロントサスペンション | アルミ削り出し Fior-タイプフォーク チタン製リンク式プリロード / リバウンド調整式モノショック(トラベル 120 mm) |
| リアサスペンション | アルミ鋳造スイングアーム(エンジン後部支点) プログレッシブリンク式モノショック(プリロード / リバウンド調整、トラベル 130 mm) |
| キャスター / トレール | 23.365° / 93.65 mm(フォークオフセット 38 mm) |
| フロントブレーキ | φ320 mm ステンレスディスク × 4 4 ピストン Beringer ラジアルキャリパー × 2 |
| リアブレーキ | φ230 mm ステンレスディスク × 1 2 ピストン Beringer ラジアルキャリパー × 1 |
| ホイール | アルミ削り出しホイール(18 本スポーク) |
| フロントタイヤ | 120/70 – 18″(リム幅 3.50″) |
| リアタイヤ | 160/60 – 18″(リム幅 4.25″) |
| 乾燥重量 / 配分 | 186 kg〈前後 50:50〉 |