ブラフ シューペリアのホイール哲学

鍛造無垢から削り出される ──
ブラフ シューペリアのホイール哲学

「切削加工によって素材に繊維のような流れが生まれ、スポークをより細く、それでいて強靭に造形することが可能になります」と、そう語るのは、ブラフ シューペリア社のディレクター、アルベルト カスターニュ。彼の背後では、Haas社製の3軸NCマシニングセンターが精緻な動作を繰り返し、まさにその技術が形となる瞬間が映し出されていました。

鍛造無垢材から
削り出す、こだわりの「インハウス」製造

カスターニュの隣には、タルブ国立工科大学出身の若きエンジニア、ピエールの姿がありました。彼はこのマシンを駆使してプログラムを調整し、モデルごとに最適なホイール形状を削り出す専門職として採用された人物です。原材料には、かつてイタリアから調達していた「鍛造無垢材」のアルミニウム塊を使用。現在では、これらのホイールはすべてトゥールーズ本社内にて製造されています。

5つのデザイン、
そして無限の可能性へ

標準仕様のホイールデザインは、「ロレンス」「S.S.100」「ペンディン」「アニヴァーサリー」、そして「アストンマーティン AMB 001」の各モデルに合わせた5種類をご用意。切削後は、アノダイズ処理や、職人フランクの手による鏡面仕上げなど、多彩なフィニッシュを施すことが可能です。「このように社内でホイールを完結させることは、技術的な意味でも大きな利点があります。そして、納期の面でも大きなアドバンテージが生まれるのです」と語るカスターニュ。さらにこの3軸マシンによって、「ワンオフ」プロジェクト ── つまり完全受注生産の一点物を生み出すための新たな可能性が、静かに広がっているのです。