ミラノで発表された新型エンジン

ミラノにて幕を開けた革新
── ブラフ シューペリア新型エンジン、ついに公開

ブラフ シューペリア モーターサイクルズは、2022年ミラノEICMAショーにおいて、アストンマーティン AMB 001 Proを含む2台の新型モデルを発表しました。しかし、今回の注目はそれだけにとどまりません。新型モデルの中心に据えられるかたちで、AMB 001 Proに搭載される新開発エンジンと、そのビレットアルミニウム製クランクケースもまた、大きな注目を集めました。2台の華やかな新型車輌の発表に続き、ブラフ シューペリアはさらにもう一つの見どころとして、新たに開発されたパワーユニットを披露しました。それは、技術と美意識が結晶した逸品として、ブランドの矜持を象徴するかのように展示されていました。彫刻作品を思わせるような造形の997cc・Vツインエンジンは、仕様が刻まれたピラミッド型の展示台の上に配され、新型AMB 001 Proとダガーの間に鎮座。訪れた来場者たちの視線を集めながら、その存在感を放っていました。

ビレット削り出し構造による、高精度かつ高品位な設計

この新型エンジンは、従来の鋳造による製法ではなく、マグネシウム含有量の多い5000系アルミニウム合金の2つのブロックから切削加工によって成形された、ビレット構造を採用しています。その精度と美しさは、まさにアストンマーティンのスポーツカーと共鳴するにふさわしい、構造美と機能美の両立を実現しています。設計はすべてブラフ シューペリアによって行われ、製造と組み立てはフランス トゥールーズの自社工場にて完結されています。この新型ツインシリンダーは、従来モデルと比較して軽量化と耐久性の向上を果たし、さらにパワーも大幅に強化されています。エンジンにはウェットライナーを採用し、内部には耐摩耗性と熱対策としてセラミック処理が施されています。6速カセットタイプのギアボックスも搭載されており、ブラフ シューペリアの今後の車輌ラインナップ拡張にも対応できる、中核的ユニットとしての役割を担っています。すべてが計算され、すべてが磨き抜かれたこのエンジンは、単なる機械部品ではなく、ブランドの精神と未来を映し出す象徴的な存在です。その静かなる佇まいの中に、精密技術への情熱と、美を追求する意志が脈打っていました。