CNC加工エンジン、
ついに生産開始
── 精密工学とクラフトマンシップが生んだ、新たなる選択肢。ブラフ シューペリア モーターサイクルズは、新たな一歩を踏み出しました。従来の鋳造製ブロックに加え、CNC加工による新型エンジンを正式に生産ラインへ導入し、お客様が選択可能なオプションとして提供を開始いたしました。この新型ユニットは、トゥールーズ本社の5軸マシニングセンターにて製造されており、数か月前より既に量産体制に移行しています。
デリバリーは
2023年4月より開始
「最初のCNC加工エンジン搭載車両の納車は、4月に行いました。これは新車としての販売分だけでなく、すでに受注いただいていた既存オーダー分にも適用されました」
と、ゼネラルマネージャーのアルベルト カステインは語ります。この新型エンジンはオプション扱いとなり、従来の鋳造ブロックと並行して提供されます。エンジンの基本構造と排気量 ── すなわち997ccのV型2気筒レイアウトに変更はありませんが、その素材と製造精度において、新たな価値を付加しています。
クラフトマンシップが宿る切削ブロック
このCNC加工エンジンは、アストンマーティン AMB 001 Proの開発要求を契機に誕生しました。その高い剛性と軽量性は、同車に求められる卓越したパフォーマンスを支えるために設計されたものです。それゆえ、ダガーやローレンスといった現行モデルにも完璧に適合し、さらに、ブロックのデザインや質感を好む方であれば、クラシックシリーズへの搭載も可能となっています。削り出しによって生み出されたアルミニウム製エンジンは、構造的な強度を確保しながらも軽量で、応答性とパワーにおいて、従来モデルよりわずかに向上。精密さと美しさを兼ね備えたこのエンジンは、性能と個性を求めるライダーにとって、理想的な選択肢となることでしょう。
左はCNC、
右は鋳造
── 進化の象徴
写真に並ぶ2基のエンジン。その左には、ブラフ シューペリアのトゥールーズ工場で、2つのアルミブロックから丁寧に切削された新型CNC加工エンジン。そして右には、従来より鋳造によって製造されてきた伝統的な2気筒ユニットが並びます。いずれもブランドの哲学を体現する心臓部ですが、その製造手法と美しさの在り方には、時代と技術の静かな進化が刻まれています。